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~働きやすい介護職場づくりの工夫~
3-2.クレームがおきにくいため

一般企業では、社員の不手際や会社の不備不足は、サービスの低下となって顧客に迷惑がおよびます。そして、クレームや取引離れという結果にいたり、しっぺ返しを受けます。社員は何らかのかたちで責任を取らされます。そのような事情から、一般企業ではクレームや客離れを気にするので常に緊張感がはたらきます。

 

ところが介護施設におけるスタッフの不手際や不備不足は、利用者に迷惑がおよんでも、クレームにならない場合が多いのです。仮にスタッフやチームの不手際で利用者の健康や生活に害がおよんでも、加齢だから仕方がない、認知症だから仕方がないで済まそうと思えば済ませられるのです。それは決して正しいことではありませんが、現実にはそのようなことがあります。また、利用者を預ける家族も、施設にはお世話になっているのだから、という気持ちから、よほどの事態にならない限りクレームを出しにくいというのが実情です。そのため介護施設では、一般企業よりも緊張感が保ちにくく、緊張感のあるケアや施設運営がしにくいのです。

ほかに行くあてのない利用者は、スタッフに文句は言いにくくなります。利用者が別の施設に移りたいと思って契約解除を申し出ても利用者が大損するだけです。とりわけ認知症の利用者の場合、クレームが言葉や態度で表現されたとしても、的確に了解されることは、残念ながらあまり多くありません。まともに取り合わないのです。認知症の人に対して、スタッフのなかには怒号や悪態で返すケースも現実にあります。

 

クレームがおきにくいという事情は、施設関係者たちが質の高いサービスを追求したり、緊張感のあるケアや施設運営をしたりする動機を持ちにくくさせます。人間ですから、必要に迫られていないのなら自分から緊張感など持ちません。楽ができる環境では楽をするのが自然です。

 

そのような状況は、スタッフたちがチームケアの必要性の自覚に至りにくく、チームケアになりにくい原因のひとつです。