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~働きやすい介護職場づくりの工夫~
4-1.管理者のリーダーシップがとれていること

リーダーシップとは

管理者のリーダーシップというのは、管理者が何でも決める、何でも掌握していなければならない、という意味ではありません。それでは独裁体制、ワンマン経営になってしまいます。とはいえ、仕事を進めていくうえでは、誰かが決めなければならないこと、誰かが責任を持たなければならないこと、誰かが言わなければならないことがあるのは確かです。それを実践するのが管理者です。管理者が、決めるべきことを決め、言うべきことを言い、取るべき責任を取る。それが管理者のリーダーシップです。

管理者のなかには自分のことを、自分には人さまにあれこれ言うのは苦手だ。上手に言えないと感じている人もおられるでしょう。しかし、管理者を自分の意志で引き受けた以上は、この役割からは逃れられません。例えば、スタッフの常習的な遅刻や欠勤、不適切な言葉遣いや不適切な介助などは、そのままほうっておくわけにはいきません。社会人にもなって遅刻や欠勤はもとより、職場での礼儀作法など言うまでもないことなのかもしれませんが、言わないとわからないスタッフには言わなければなりません。しかも相手にわかるように言わなければなりません。そのような役割を果たすために、管理者に責任と職権があるのです。

 

そのようにして、管理者のリーダーシップがとられると、チームに適度な緊張感と安心感がおこります。スタッフたちは、もし誰かがいい加減な仕事をして人に迷惑をかけるようなことをしても、それが見過ごされることはないと感じ、安心できます。人間は無秩序な環境で過ごすよりも、ある程度秩序のある環境で過ごすほうがストレスが少なく安心なのです。

 

とはいえ、管理者のリーダーシップというのは、必ずしも管理者自身が知識や介護能力などすべてに秀でていなければならないということではありません。そんなことをいったら誰も管理者になれなくなってしまいます。管理者に必要なのは、毅然とした態度をとる勇気と、はっきりと言うべきことを言わせてもらえる謙虚さです。

自分の能力を過信も卑下もせず、スタッフたちの意見やアイデアを採用して、スタッフたちに仕事を任せます。ほんとうのリーダーシップというのは、働く能力よりも働かせる能力が重視されます。

 

リーダーシップが不十分だと

管理者のリーダーシップが不十分だと、それ自体がスタッフたちに対するメッセージになってしまいます。“わたしはリーダーシップが取れません”と、発信していることになるのです。そうなると、チームは統制が取れず、スタッフたちは勝手に仕事をすすめるようになります。そして、注意されなければ何をやってもかまわない、という風潮がはびこります。あるいは、リーダーシップを取らない管理者に対して、スタッフたちにいらだちの気持ちがおきるようになります。なんて頼りのない管理者なんだ、こんな管理者にはついていけないと、不満に思うのです。場合によっては、スタッフたちのあいだから、管理者に取って代わるリーダー的な存在のスタッフがあらわれます。何も言わない管理者よりも、あの人のほうがよっぽど頼りになる、とスタッフたちは感じるのです。それが原因で管理者対反管理者のような派閥が形成されることもあります。ですから、管理者のリーダーシップは、チームケアを成り立たせるためにはどうしても必要です。

 

リーダーシップは管理者だけでは成立しない

とはいえ、管理者のリーダーシップは、管理者がいくら努力しても、それだけでは成り立ちません。リーダーシップが成り立つのは、取る側の心得が半分、取られる側の心得が半分です。しかし実際には、リーダーシップを取られる側の心得についてはあまり強調されることはありません。そのため、管理者のなかにはリーダーシップが取れない責任を一人で感じ、気落ちするケースが見られます。

 

管理者が真剣にリーダーシップをとろうとすることが前提になりますが、スタッフたちはチームケアを成り立たせるために、管理者がリーダーシップをとりやすいよう協力しなければなりません。あの管理者はあれができてない、これができてないと、上から眺めているようなスタッフや、これはわたしの仕事じゃないからやらない、などと冷ややかで非協力的なスタッフは、管理者を落胆させチームケアの大きな弊害になります。

スタッフは、特段こだわりのないこと、明らかに利用者の利益を損なうこと意外は、基本的に管理者の意向に従います。

 

本編では、管理者に対してあれをすべき、これをすべきと、プレッシャーをかけることは望みません。ただ、管理者には、リーダーシップを取るべき理由があり、スタッフたちには管理者がリーダーシップをとれるよう協力すべき理由があるということは念頭においてください。それは、チームケアの充実に欠かせません。