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~働きやすい介護職場づくりの工夫~
4-3.管理者にサブがいること

管理者はスタッフたちから相談を受けたり、悩みを聞いたりする場合が多いでしょう。しかし管理者がスタッフに自分の悩みを打ち明けたり、相談を持ちかけたりすることはあまり多くありません。管理者は、責任の重さとその立場ゆえに介護施設で特に孤立しやすい存在です。とはいえ、管理者も人間ですから支えが必要です。悩みを聞いてもらったり、支えてもらったりする必要があるのは、スタッフたちと同じです。そういう意味で、管理者にはサブが必要です。サブは大きな規模の介護施設だと副施設長のことです。副施設長という肩書や取り決めがない場合は、ほかのスタッフのなかから自然にサブ的な存在は出てきます。そうなればそのスタッフがサブです。

サブの任務

サブは管理者を身近で支えます。サブはチームケアを充実させ、リーダーシップをチームに行きわたらせるために、あるいは、管理者を孤立させたり、スタッフたちとの間でトラブルが起きないよう、あいだに入り、調整役をします。

サブの役割は極めて重要です。そのためサブは、自分の意見を表立って主張せず、控えめにします。管理者とスタッフのあいだに入る際は、主張の三つどもえを避け、まずは中立でいます。サブの主要な任務は管理者とスタッフたちの関係を円滑にすることです。もし管理者よりもサブのほうが、ある面で優れていたとしても、サブは管理者に取って代わるようなことはしません。もしそのようなことをして、サブと管理者の間で対立が明るみに出たら、そのチームは崩壊します。

管理者とサブの関係

そのような事情から、管理者が管理責任を十分に果たせるかどうかは、おおむねサブにかかっています。サブがいない、もっとひどくなるとサブに見限られた管理者はチーム内で機能できなくなり、孤立して、”名ばかり”、 ”みこし” になってしまいます。サブは管理者に対してもスタッフたちに対しても、大きな影響力があります。

たとえば、潜水艦に何ヶ月も乗る隊員たちの中で、副艦長 (サブ)にしかない権限があります。それは艦長を解任する権限です。おかげで、艦長にも隊員にも適度な緊張感と安心感が保たれ、艦長の孤立や暴走を防げるのです。介護施設にそのまま当てはまるものではありませんが、一般にそれだけサブの役割は重要視されているということです。

管理者が誠実にリーダーシップを取ることが前提になりますが、サブは管理者の負っている責任とその重さをよく理解し、管理者の意向がチームに効果的に影響がおよぶよう気を配ります。たとえば、「このあいだ○○施設長、こうやって言っていたよね」と、スタッフたちに周知させるのです。周知されたスタッフたちは施設長にもサブにも周知されたことになり、管理者の意向が行き届くのです。あるいは管理者のリーダーシップのとり方が不適当に思える場合には、管理者に対して異を唱えます。考え直してもらう、あるいは訂正してもらうのです。管理者に対して不必要に事を構えてはなりませんが、場合によってはチームのために勇気を出して率直に毅然(きぜん)と意見を言います。サブが、ダメはダメ、ノーはノーと言ってくれるのが分かると、管理者は暴走したり孤立したりしないですむので、リーダーシップが取りやすくなるのです。

そして管理者は、サブが上記のような責任を自覚して、自分やスタッフたちのために尽力してくれることを信じ、その尽力に対して誠実に応えてください。サブの意見に耳を傾け、サブとはできる限り親しく、緊張感を保ちつつも気心の知れた関係を目指します。

そのようにして、管理者とサブの信頼関係、協力関係が築かれていくと、チームケアは充実していきます。