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~働きやすい介護職場づくりの工夫~
4-11.「それがどう利用者に役立つのか」

どんな些細なことであれ、業務にかかる判断、決定には根拠が必要です。

介護の仕事が何の根拠もなく行き当たりばったりですむ、というようなことはありません。何の根拠もない決裁や判断は独裁です。もちろん事あるごとにその都度、これはなぜ、あれはなぜと理屈を並べるようなことはしませんが、それでも、何の理由もなく業務が進むことはありません。

業務上の判断、決定に際して、その根拠となる最も重視すべきことは、“それがどう利用者のためになるのか。”という問いです。これは錦の御旗です。

 

管理者は、他のメンバーから上がった意見や要望に対して、「それがどう利用者のためになるのですか?」 と、たずねてみてください。理にかなった答えがあれば、その意見や要望は採用の優先順位を高くしなければなりません。答えられなければ、それがどう利用者のためになるのか、一緒に考えてあげます。利用者にメリットのなさそうな意見や要望は優先順位の低い案件として扱います。ただしスタッフの中には、自分の意見や要望が利用者にとって大切な内容であっても、十分に説明や説得ができない者もいますので、そのような事情は差し引いてください。

管理者の指示や意見も同様、「それがどう利用者のためになるのか」 が不明瞭だと説得力がありませんし、スタッフたちから快くは応じてもらえません。場合によってはひんしゅくを買います。

 

「それがどう利用者のためになるのか」という論拠を重視することで、理屈屋になることをすすめているのではありません。日常の業務には理屈とは別に、スタッフのチームワーク、特有の流れやリズムがあるからです。そうではなく、もし判断に迷った場合に、立ち戻れる原点をはっきりさせておくため。自分の意見や要望が、何のための誰のためのものかを見失わせないため。特定のスタッフが独裁的に振る舞ってチームが混乱するのを防ぐため。メンバーが既成概念や規則にこだわって、利用者不在の風潮がチーム内にはびこるのを防止するためのものです。